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Mon.

夜の雪

ある所に平凡な夫婦が暮らしていた。
夫婦に子供はない。いや、正確には、娘があったが奉公に出しており、二人暮しであった。
夫は山で採取してきた薪を街に売りに行き生計を得ていた。妻は出かける夫に日々弁当をつくり持たせた。

夫は家計とは別に、妻に拾円玉や百円玉をくれた。それも頻繁にである。時には百円玉十枚や拾円玉百枚ということもあった。これは千円になるが、夫は妻に千円札をくれることはなかった。

いっぽう、妻はこれらのお金を使うことなく箪笥に貯金していた。夫が自分にくれたものだから、形を変えてしまうのは勿体ないと思ったのがひとつ、妻は一万円札マニアという奇特なマニアだったので、小銭を貯めて一万円札に両替し、これを鑑賞したいというのがもうひとつであった。形を変えたくない、しかし替えたい、という矛盾するふたつの想いを持っていたのである。

ある日、小銭の山を見せて妻は夫に言った。
「ねぇほらみて拾円玉と百円玉で一万円分溜まったよ!これ一万円札と交換してくれないかなあ。」
夫はドン引いて言った。
「うわあなんだそれ、貯めてやがったのか。やだね、おれは。めんどくさいよ。両替屋に持ってきな。」
この夫の言葉は妻の心を深く傷つけた。
「ひどい!私はあんたから貰ったお金だからたいせつにとってたの。だから両替もあんたからじゃないとダメなの!両替屋で換金したら意味ないじゃない!」
妻は続けた。
「大体、千円札もくれた事ないよね!小銭ばっかりちまちまちまちまちまちまちまちまちまちま!!!このちま男!!!」
言った瞬間、夫の顔が凍りついたのがわかった。それはそうだ。拾円でも百円でもそれは彼の愛情に違いなかったのである。それを彼女は全否定した事になる。
しかし、と、妻は思った。
百円が十枚集まって、千円。
千円が十枚集まって一万円。
拾円なら千枚。
そう思っていた。いや、疑いもなく信じていた。誰だってそう思っているに違いない。もはや常識ですらある。
しかし、だ。
ただ一人、よりによって彼女の夫であるこの男にとっては、拾円玉×千枚≠一万円なのだ。
彼にとって拾円玉千枚は拾円玉千枚でしかない。

そういうこと。(笑)
と妻は捨てるように笑った。
「私は本当はあんたから一万円札を貰いたかった。それは知ってるでしょう。でも無い袖は振れないし、あんたが好意でくれている以上ケチをつける立場にないってことも分かる。先程は御免なさい。」
立ち上がり言った。小銭の山は崩れた。
「私とあんたでは価値観が決定的に違うんですね。一万円にならないなら、あんたからはもう百円だって、拾円だっていらない。さよなら。」
夫は黙って妻の言葉を聞いた。
妻が戸を開けて雪の夜へと消えて行くのを黙って座ったまま見送った。


妻は雪の道を踏みしめながら思い返した。
彼がくれた百円。
彼がくれた拾円。
いつも二人は笑っていた。
百円だって拾円だって幸せだった。と。

ただ、今は歩いていかないと。自分で幸せにならないと。
雪明りが辺り一面を照らしていた。




16:11 | 未分類 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Fri.

雨散歩

雨の日の洗濯物はゆうつつ
パパが言ってたコツ
大物から干すと減ったように感じていい
気持ちの問題だけれどね
狭いお風呂場にみっしり吊るす
洗濯物が終わったら
お外に行こうか
あてもなく躍り歩こう
みずたまの雨合羽とりぼん柄の長靴
青紫の丸いお花にじゃぶじゃぶ地球の湖
いつもの公園占拠して
君は大はしゃぎ
11:54 | 母子手帳電子版 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Thu.

落ち着け

どうしよう
どうしよう
どうしよう
間に合わん
どうしよう
不安だな
不安だよ
まじで
あれとこれとあれとそれやって
あれがこれをこれがそれがどれか
どうしよう
ちょっと
欲ばりすぎ
どうしろての
おちつけ
狼狽えるな
遠くの山を見て
ほっとけ
なるようになる
勝手になる
15:54 | 練習帳 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Fri.

Re:entry-637.

母からLINEがあった。
「〇くん、テレビに出るんだって。×××局の~時と△△△局の〜時からです。」
〇くんというのは、私の保育園時代の友達の弟で、
今ではゲーム開発者且つ人気YouTuberである。

彼と兄とは年子だったので彼も私達に混じって神社の境内の裏や道端でよく一緒に遊んでたっけ。以下の記事でちょっとだけ出てくる子。entry-637.途方もない絶望とそれでも消えない希望を抱えて

数日後、またLINE。
「〇くん、見た?」
アレ、昨日だったか。見たいような見たくないような、そんなん思ってたのは本音だけど、迷ってるうち、見逃してしまった。
「あー見てないけど。立派になってすごいね。ほんとにそう思うよ」
これも本音。
「私は何にもなれなくてごめんね。お母さん。」
これも、すごく本音。と、あてつけ。
そしたら、
「◇ちゃんのママじゃない♡」
などと返ってきた。
既読スルー。
ママなんて、なんでもないじゃんか。まんこにちんこ突っ込んで、コウノトリの抽選に当たっただけ。ねぇ、お母さん?
子育ては楽しいよ。子供は可愛い。大変なこともある。この先何万倍大変だって思う。その時私はこの子の母親で居れるか分からないよ。未来が見えないの。その時「ママじゃない♡」って言えるの?大体、私の全部=◇ちゃんのママっていう状態がすごい危うい。私、自分がない。◇の母としてしか存在しない。出来ない。実際そうだ。だから図星でこんなに動転するの。
〇くんはちがう。自分で選んで、努力して、工夫して今の〇くんが居る。だから、それは皆に視える。

私にも視えた。番組は見逃したけど、あとでyoutubeで〇くんを見た。

可笑しくて笑った。

お母さん、続きがあるの。
でもあなたには言わない。不言実行がかっこいいから。こんな所に書くのもダサいかも。
私ね、少し前からなりたいものがあるの。youtuberじゃないけど。もっと堅実なやつ。
年甲斐ないって?
何年掛かろうとどんだけ難しかろうとやってやる。時間だけはたっぷりあるんで。
それと並行して最低限クリアすること。
てんかんを黙らせる。これは最低の最低の最低のスタートライン。
出来れば手掌多汗症もどうにかしたい。こっちは糸口すら掴めないけど。
過敏性腸症候群は飼い慣らす、そう、治らなくていい、飼い慣らせれば上々。
目的が決まったのならあとは目の前がひらけたようだ。…とはならなくて、若干弱い光が差したていど。なんにしろ時間はたっぷりあるんだ。道中長いぞ。
〇くんをみて覚悟が決まった。
ありがとう。感謝する。
たっくん。
14:11 | 日記らしき物体 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Tue.

土砂降りの雨が降ったあくる朝
彼女と電話で話した
たぶん最後の電話
二人ともさよならは言えなくて
彼女はここから離れてどっか行く
私も新しい場所を見つけたい
じゃあねといって切った
フローリングの膝の先
あっけらかんとした朝の空

(2020.5.27)
23:00 | 日記らしき物体 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Mon.

さよならイトーヨーカドー

今日、近所のイトーヨーカドーが閉店した。てかもう昨日。寝ちってたら日付を跨いだ。
42年間。
この街を見続けた。
それはすごい事だと思う。

私個人にも思い出は、実家に住んでた頃から近所に引っ越してきた最近のものまで思い出せないくらい沢山ある。思い出せないって、思い出って言うんかいな。

従業員の方にも良くしてくださってあの人やあの人は行先決まったのだろうかとか余計な心配をしてしまう。自分も経験あるから。務め先がこの世から無くなってしまったこと。辛いよなぁ。自分が出て行くのとはまた違う。

はぁそんで、イトヨロス確実だろうなあ(笑)。こないだテレビ見てて〇〇ロスについてやってて視聴者ツイートでうろ覚えだったけど「ロスになれるだけ幸せ」みたいなの流れててそうだよなあと妙に腑に落ちたけど、なんだ、私は幸せ者だったんだな。
冷蔵庫には買い貯めしたセブンプレミアムの豆腐、同じくセブプレの冷凍ブロッコリー、イトーヨーカドーお馴染みの袋のもやし。
もう買い足せないなんて。まあ、セブン行けばいいんですけどね。もやしは知らん。
うんまあ、私の体、ほぼイトヨで買ったモンで出来てる。
食料難民ですよ明日から。どうするね。考えてないよあんまり。

さっき。
ちょうど大河ドラマ始まる頃。
部屋の窓からイトヨの看板が見えた。
いつも通りのあの子。白いライトに照らされて夜の街にぽかんと浮かぶ一際大きくて明るい光が、いつみてもこれはやはり灯台のようだった。
私、ああ、これは最後だと思って写真を撮った。
とても綺麗に撮れた。写真載せたいとも思ったけどさすがに特定kakujitsuなので。近所って言ってる時点でこyけどね。
そして拍手と一礼と最後にバイバイをして風呂に行った。
風呂から上がってきて部屋に行ったら灯台の光はもう消えてた。夜の闇に溶け込んでうすぼんやりと7&iの文字。
毎晩この街に点いては消えてきた
その最後の灯火が消える瞬間を、見たかったような見なくてよかったような。

さよならイトーヨーカドー。それから、ありがとう。
でも非情なんだよなあ、さよならってのはそこで終わりじゃない。
ってことは31年生きて嫌というほど学習済みなのである。
残された人間は歩いて行かなきゃならない。残していった方も生まれ変わらないといけない。
そこがさよならの辛いところ。
イトーヨーカドーの入れ物だった入れ物にまたいずれ別の魂が入る。そんで、動き出すのだ。その時、こみ上げる思いを隠さずにはいられないのである。
それがさよならの救いだ。


今日聴いてた曲です。特に関係はないんだけれど、今日書いたことや感じた事やらと一緒に憶えていたい。






02:40 | 日記らしき物体 | comments (2) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Fri.

【コロナ】自立支援医療 有効期限延長

これ。
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届いたんだけど絶ッッッ対覚えて居れそうにもないからブログに上げとく。誰かこの件書いてる人いるかな?カブッたらごめんなさい。自分用備忘録ということで。

なんか最初届いた時精神状態最悪なのもあって何書いてあるかいみわかんねかった。でさらに混乱しつつ5回位読んでやっと理解したかもしれない。…。

ようは、コロナだから自立支援の有効期限を一年延長します。ってことよな。

さらに、私は受給者証見ると有効期限、令和3年2月28日となっているから、令和4年2/28になるってことよな。てか今って令和2年なんだぁー。←そこからわかってない

一方、障害者手帳についてそういう書状は来てないけれど、こっちはもともと更新が2年に1回で期限は令和4年の同日になっているからそれについては私はこの紙の(4)に該当する…よね?(令2/3~令3/2に手帳が有効期限を迎える対象者には障害者手帳についても書状が行ってる筈、かも?)

で、そうなると一番重要なのは料金の発生する診断書の添付有無について。私の場合今年の更新で提出しているのでこの紙の(2)に書いてる通り次回、つまり延長後の令4/2には不要と読める。…ただし、それは自立支援のみ受給している人の場合だ。私の場合、障害者手帳の更新が同時なので必然的にというか結局、そっちの方で診断書料金が発生する。…んだろう。それを簡潔にまとめると(4)の一文にループ。

なーんだ結局変わらないんじゃん。いや、来年手続きに行く手間が省けるのはラクだけど。でも私みたいなアホの場合、その事を忘れてて窓口まで行って「必要ないですよ~。」チ─(´-ω-`)─ン。まで想像したのです。いや、そうならないようにブログに書いてるんだけどね今。そのこと自体忘れてそう。来年の2月やで?むしろ豊かな想像力で来年の2月にブログで『「必要ないですよ~。」チ─(´-ω-`)─ン。からの精神絶不調www』ここまで。想像できてる。来年2月、ブログに書いてあったら私超能力者だわ。笑ってやって下さい。
いやでもそういうのってあるよね。真面目に。クリアーに想像出来る未来ほど現実となる。人はそうなる未来を選択してるって言うやつ。

話は戻るけど、逆に自立支援のみ受給している人は注意が必要かと思う。
この自立支援に絡んだコロナ対策がうちの市以外でも一般的に広がっているのか、それとも自治体によってまちまちなのかでだいぶ変わってくるけど。

自立支援の診断書って、こちらから頼まなくても更新月になると勝手に、というかご丁寧にクリニックの方で用意してくれるものだと思ってる。(私が)。そして、会計時に言われるのだ。「今月自立支援のほうが更新になってますのでこの診断書をお持ちになって市役所にうんぬん」と。さらに「今回のお会計ですが診断書作成料入りましてしめて六千二百七拾円に也升」。などと。やべえ、錯乱して最後変換おかしくなっちまった。(金額は一例です)。ここで初めて患者は今月が更新だったこと、診断書料金が発生したことを知るのである。(私が。)

なので、今回みたくイレギュラー的に更新が不要となると…、
不要だった診断書に書類作成料金(4000円程度、病院により上下)が発生する恐怖のような事態が予測される。なあとおもった。
なので、更新月と診断書の有無はしっかり把握しようね。ってコトです。(私が)。
大体、自立支援医療受けてる人達って私みたいに自己管理があやふやになってしまう人が少なくないと思う。「自立」に「支援」が必要な人。いやいや君ほどアホじゃねえよって人はいいんだけどさ。私だっていまいち理解しきれなかったからこうやって自分の言葉に置き直してそれを文章で見てやっとわかる感じ。それでも合ってるか不安だから困るw

まあ、今回のこの決定、市(区町村)から医療機関に通達が行ってないはずないので当然病院も把握しているから大丈夫だと思う。
(4)とのことだけど、病院の受付に確認した方が色々確実だし、そうしようと思っている。
09:38 | 備忘録 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
Mon.

私とお酒

私とお酒 彼はお酒を選んだ
私とパチンコ 彼はパチンコを選んだ
ママと私とばーちゃん 彼はばーちゃんを選んだ
病と死 彼は死んだ
08:19 | | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑